見出し画像

【第3回】台風15号・19号からの復旧工事はいつ完了するのか?

↓ 前回の記事はこちら ↓​

千葉県が復旧するまでに必要な職人数

第1回では、1件の屋根工事に必要な職人数は最低1人日であるという推計を算出しました。

千葉県では現在、一部損壊家屋数が約7万件にのぼっています。これをすべて復旧するには7万人日以上の職人リソースが必要となります。
「1,000人の職人が70日間稼働する」と、台風15号・19号で一部損壊の被害を受けた家屋の復旧が完了するということです。

千葉県のとある自治体の首長は、「復旧が完了するのは3年後になるだろう」と考えています。3年というのはおよそ1,000日ですから、現地で稼働している職人は100人程度、というのが現地の感触なのかもしれません。

画像1

加えて、今年の夏にはまた台風がきます。昨年のような規模の台風が襲ってくるとは限りませんが、それでも、ブルーシートで覆われた状態の家屋は平時の家屋よりも耐久性が低いことを踏まえると、急ぎ復旧工事に当たる必要があります。

千葉県にいる職人数

建築施工統計調査を見ると、千葉県には現在、屋根工事ができる許可業者は86社あります。CraftBankにおける許可あり業者と許可なし業者の比率を適用すると、許可なし業者の数は300社程度と推計されます。

一部損壊家屋は7万件なので、単純に計算すると、1社あたり230件以上の屋根工事需要が発生していることになります。

図 finalfinal

この300社の中には、家族経営の小さな工務店も含まれています。普段から地域とのつながりを大切にし、きめ細かなケアで住民との信頼関係を築いてきた工務店に、ある日突然、200件以上の問い合わせが寄せられたのです。

屋根工事ができる職人数は明確にはわかりませんが、数百人と思われます。その中で、家屋復旧工事にあたっている人がおよそ100人程度だとすると、先述の自治体職員のつぶやきが現実的なものになります。

次回は、以上の課題を踏まえて、現時点で政府が取り組もうとしているテクノロジーの打ち手を紹介・考察していきます。

この記事を書いた人:田久保 彰太(ConTech総研)

--------------------------
ConTech総研のTwitter: https://twitter.com/ConTechResearch

ありがとうございます。シェアもしていただければ幸いです。
5
クラフトバンク総研は、「Construct the Connection」をテーマに、民間建築業界のいまとこれからを研究・発信してまいります。 建設系専門紙で連載中 https://chikalab.net/rooms/112

こちらでもピックアップされています

災害復旧 × 建設職人
災害復旧 × 建設職人
  • 7本

災害復旧に携わる建設業やその関連産業、メディア、自治体、官公庁の方向け

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。